エステのフラッシュ脱毛における問題点

毛嚢炎

フラッシュ脱毛を施術した後、頻繁に起こり得る問題として、毛嚢炎がある。
これは太い毛を脱毛処理した時に起こりやすく、女性ならVライン、男性ならヒゲなどに起きる頻度が高い。
特に男性のヒゲ脱毛は毛嚢炎とセットになっているといっても過言ではない。
フラッシュだけに起こるわけではなく、レーザーも含めた光脱毛のリスクなのだが、医療脱毛なら施術した医療機関で治療するなどの対処ができるが、エステではそれが出来ない。
SNSやネットの掲示板で予備知識として事前に知っている人は良いが、そういう事を知らずに来店する人も多い。
毛嚢炎は時に強い痒みを伴ったり、発疹が出たりするので、予備知識のない人は驚いてしまう。
発疹が単発で少ない数ならすぐに治まるケースが多いが、数が多かったり、痛み・痒みを伴うものは治療が必要になってくる場合もある。

医療的な説明は出来ないが、現場の話を聞くと、脱毛処理をしたことにより毛穴の抵抗力が低下して、普段なら問題にならない細菌に感染してしまうのではないかと推察する。(詳しくは医療系の情報を調べていただきたい。)
お試しやキャンペーンで来店したお客様に、脱毛処理のメリットばかりを話し、それに関わるリスクやデメリットの説明が不十分になっているケースはないか、注意が必要だと思う。
特に夏などは汗をかくので毛嚢炎が出来やすい。
脱毛処理後の注意事項として、しっかり説明したい。
売り上げには直結しないことだが、事前に説明するのは大切なことだと思う。

また、最近の傾向としては陰部周りの脱毛をするエステが増えてきている。
しかも肛門周囲などのかなりきわどい部分まで施術対象としている。
こういったデリケートゾーンは男女の別なく衛生面では注意が必要な部位でもある。
こういった部位を脱毛処理している店舗はキチンを衛生管理が出来ているのだろうか。
また、こういった部位を施術するだけの知識などを持ち合わせたエステティシャンが担当しているのだろうか。
陰部から肛門周辺は条件的にも毛嚢炎が出来やすい部位だ。
出来てしまうと治るのにも時間などを要すると思う。
そういうリスクを承知で部位対象に選んでいるのだろうか。
正直、疑問をもってしまうケースも多々ある。
事が起きてからでは遅い。
経営サイドには是非一考願いたいことの一つでもある。

硬毛化現象

エステの関係者でも意外と知らない人が多いのが「硬毛化現象」だ。
私がそういう現象があると認識したのは10年以上前になる。
取引のあった脱毛エステ店で現場のエステティシャンから聞いたのだ。
上腕部や背中の細い毛をフラッシュで脱毛処理すると、抜け落ちた後に再生する毛が段々太くなるということだった。
数は少ないが、3人程度の顧客から同じクレームがあったということで、私もいろいろ調べてみたら、場所も名前も失念したが関西の医療クリニックのHPで、レーザー脱毛による硬毛化が起こるという記述を見つけた。
その後、そのエステティシャンがある勉強会でDrタカハシの高橋先生に、何故フラッシュ脱毛で硬毛化が起きるのかを聞いたところ、「機械の出力が弱いために、逆に毛根の組織を活性化させてしまうからだ」という回答をもらった。
しかし、この現象は高出力のレーザーでも起こっている。

私は実際に会って確認したことはないが、ネットの掲示板などでは、Pナインでも同じ現象が起きているようだ。
硬毛化の原因は、高橋先生の仰った理由だけでは説明が出来ないと思う。
ただ、この現象が起こる確率は低いために、現場のエステティシャンも知らない人が多い。
この硬毛化は施術ミスでもないし、機械の不具合でもない。
しかし、事前の説明なしでこの現象が起きた顧客は、エステ側で何らかの対応をしなければ納得は出来ないだろう。
私の知っているエステでは、硬毛化しやすい部位の施術はリスク説明をして、なるべく断るようにしている。

現段階では顧客に硬毛化の兆しが見えたら、直ちに施術を止め、店側の責任者と相談して、顧客の納得するような対応をするのがベストだと思う。
そのまま出力を上げて脱毛処理を続けても、硬毛化が進むだけで、解決にはならない可能性が高いからだ。
(医療レーザーでの硬毛化はこの限りでないが、ドクターによってはレーザーでも頻繁に起こるという人もいる)
個人的には硬毛化しそうな毛は、マスキングなど違う手段を考えても良いと思う。

人材の確保

顧客がエステに持つ不満の中に、担当スタッフがすぐに変わってしまうというものがある。
確認してはいないが、エステの従業員の離職率は平均値よりもかなり高いと思う。
私も搬入などで店舗に出入りするが、スタッフが常に入れ替わっている印象が強い。
脱毛処理は毛周期の関係で最低でも2年程度を要するが、お客様の脱毛終了時に、初めて来店した時のスタッフは一人も残ってなかったなんてことは良くあることらしい。
離職率が高いので、エステティシャンも自分が脱毛処理した顧客の効果や結果などを知る前に退職してしまい、経験に基づく知識や対処法などが蓄積されない現状がある。

脱毛の効果や結果には、かなりの個人差がある。
脱毛機のメーカーやエステの平均的なマニュアルで一人一人の顧客に対応するには、やはり限界があるのではないか。
別の項で経営側のコストカットのために、人材確保が犠牲になってはならないと書いたが、こういう意味も含まれている。
同じ部位なのに抜ける毛と抜けない毛が出てきたりする。
こういう時の対処法はマニュアルには記載されていない。

技術の向上

技術的なことにも触れておきたい。
フラッシュ脱毛の利点として、マニュアル通りに施術すれば、施術者を選ばないという点がある。
本当にそうだろうか。
脱毛マシンのハンドピースは想像しているよりも重い。
冷却機能が付いていると尚更で、女性が片手では扱えない物もある。
水冷式のマシンは冷却水が循環する様に、ハンドピースに水が通る管がつながっている。
そのため向きを変える操作も限定され、取り回しは決して楽ではない。
構造上、照射口は施術者からは見えにくく、打ち漏れしように肌に水平に当てるのは、傍で見るほど簡単ではないのだ。
特に男性の髭脱毛に代表されるような、顔への照射は難しい。
平らな面が少なく曲線が多いので、打ち漏れが起きやすい。
最近の脱毛料金の低価格化によって、施術時間もなるべく短縮しなければならない事情もあり、当然、一定ののスピードが要求される 。
安全で効果的な施術には信頼できるエステティシャンと高性能の脱毛器が必要だ。
管理・指導が出来る経験者を、常時現場に一人は置いてほしいと思う。
能力の高い機械と経験値の高いエステティシャンの組み合わせが、顧客の評価を得るのだ。

エステティシャンが働きやすい環境を

エステティシャンの職率の高い原因は何処にあるのだろう。
サロンさんの規模の大小を問わず、エステティシャンが働く現場は店舗になり、自分を含めたワークチームとしての集団はそれほど大きなものではない。
特に脱毛専門エステの店舗単位でのスタッフは比較的少人数だ。
離職率が高いために、現場は慢性的な人不足の状態が続いていて、一人にかかる負担も大きい。
低価格競争の中、余裕を持った人員配置などできる状態にない。
結果、休日出勤やサービス残業などがエステティシャンの負担になり、それほど給料が高くもないので離職となる。
責任感の強い役職の人などは、店を回すために限界まで頑張ってしまうので、何かのきっかけで張り詰めた糸が切れると、周囲が引き止めてもあっさりと辞めてしまう。
それに加え、医師法問題のリスクもある。
悪循環なのだ。

また、エステティシャンの技術をカバーするようなマシンが開発されてきたことで、経営者サイドでも、人件費のかかる熟練者を必要としないというような考えを持っている方も見受けられる。
しかし、エステにおける施術者の技術は何よりも優先すべき要素である。
特に最近はメニューの中でも脱毛の占める割合が大きくなってきたこともあり、比較的フラッシュ脱毛機の扱いが今までの脱毛法と比べても簡単なことも影響している。
ただ現場でお客様の話を聞いたりすると、簡単と思われる光脱毛の処理の技術にも個人差があるようだ。
特にひげ脱毛の施術に差が出てくる傾向が強い。
人件費との兼ね合いもあるが、この点も経営サイドに一考願いたい項目の一つだ。
エステティシャンが安心して働ける環境づくりを、経営サイドには是非一考願いたいと思う。

脱毛料金について

脱毛料金はとにかく安くなった。
デフレだとかそういうレベルではない。
どう考えたってその脱毛料金では採算が合わないと思われる設定も見かける。
採算が合わなければ経営が成り立たないのだが、そうでないのはどこかで帳尻を合わせるからだ。
キャンペーンと称して目玉のコースを作り集客をして、利益率の高いメニューや商品を勧める。
以前ほどではなくなったが、エステのお決まりのやり方だ。
これ以上の価格競争は店舗にも客にも利益がない。
適正価格・適正サービスを認識してもらいたいと思う。

ただ、メンズエステに関しては、そこまでの価格競争はない。
そもそも対象となる顧客層が少ないのだから、当然と言えば当然だ。
脱毛に関しては、大手はニードル脱毛なので、脱毛料金はは高めになる。
中小規模の脱毛エステはフラッシュなので安い価格で施術している。
男性の髭脱毛の需要が高いようだが、いい傾向だと思われる。
昨今の若い男性は相当身だしなみに気を使うので、優良顧客層だ。
業界全体で大事に育ててほしい分野である。

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